Atom Family

Intel Atom Processor Familyのために新たな頁を起こした。 (2020/11/21)

ASRock J5040-ITX (2020.11.21)

2020/11/20、ASRock J5040-ITX が発売された。同J5005-ITXと較べると、
  【J5005】 4C4T、1.5/2.8Ghz、14nm、DDR4-2400対応、TDP 10W
  【J5040】 4C4T、2.0/3.2Ghz、14nm、DDR4-2400対応、TDP 10W
CPU Clockの差から推測すれば、J5040の能力はJ5005を15-20%上回るものと考えられる。それでも 「Comet/Coffee Celeron + Mini-ITX」 に較べたら、Performanceはかなり見劣りするのは重々承知の上で、TDP 10Wに惹かれて購入した。

常時稼働PCはできるだけ消費電力を下げたい。Win10は裏作業に精を出し、知らぬ間にCPU使用率が100%に上昇することは珍しくない。その点、Intel Atom Processorは、最大消費電力が20W台であることから、発熱やNoiseを気にすることなく安心運用できる。我が家では、
  ASRockの Q1900DC-ITX / J3710-ITX / J4205-ITX / J5005-ITX
を使い続けてきた。主な用途は裏方のmini-Serverであり、実運用中のPerformanceに不足はなくとも、Windows月例更新 / Disk Cleanup / 自動Maintenance等、時間が掛かり過ぎて不都合が生じる場面がある。例えば、BonCasLink Serverの場合、一時的に動作が中断して録画し損なったり、Music File Serverでは音楽の再生が止まったりする。そうした不都合を避けるためには、もう少し能力の高いPCが望ましい。その点、ASRock J5040-ITXなら、幾分速やかな処理が期待できそう、と強引に理由をこじつけて新たなPCを仕立てることになった。

部品構成は以下の通り。
 【M/B】 ASRock J5040-ITX
 【CPU】 Pentium Silver J5040 (Onboard)
 【CPU Cooler Heatsink】 M/B Build in
 【MEM】 DDR4-2400 4GBx2 S.O.DIMM
 【SSD】 WD Blue 500GB M.2 SATA 6Gb/s (M.2 to SATA変換基板使用)
 【Sound】 Olasonic USB-DAC + Noise Filter
 【PSU】 picoPSU-120-WI + 19V 90W AC Adaptor
 【OS】 Win10 Pro 20H2 19042.630
 【Graphics Driver】 Intel UHD Graphics Driver 27.20.100.8681
結果は、
 【Cinebench R20 CPU multi】 731 pts / Max 23W
 【Cinebench R20 CPU single】 202 pts / Max 13W
 【Cinebench R15 CPU all】 324 cd / Max 23W
 【Cinebench R15 CPU single】 91 cb / Max 13W
 【Prime95実行時消費電力】 Max 26W
 【Super PI 104万桁】 20sec.
 【Idle時消費電力】 7W
 【WMP音楽再生時消費電力】 8W
 【PowerDVD18Ultra TTHD_OFF】 10W
 【PowerDVD18Ultra TTHD_ON】 15W

ASRock J5040-ITX II (2020.11.22)

前節の結果は期待に添わず物足りない。では、J5005-ITXのDataと較べてみよう。

J5040-ITX vs J5005-ITX
PC①
PC②
①と②を
比較
J5040-ITX
J5005-ITX
Cinebench R20 multi
731pts
658pts
11%増
Cinebench R20 single
202pts
178pts
13%増
Cinebench R15 all
324cb
302cb
7%増
Cinebench R15 single
91cb
82cb
11%増
Super PI 104万桁
20sec.
23sec.
15%向上

CPU Colock Max値の向上率 3.2GHz/2.8GHz = 1.143 → 14.3%増 からしても上表の値は不満が残る。ならば、その程度の向上ではJ5005からJ5040へ乗り換える意味はあるだろうか。何か利点はないものかとあれこれ探した結果、動画Upcon再生時のCPU使用率に注目した。
  【J5005-ITX 動画Upcon再生時CPU使用率】 55~72% 平均60%
  【J5040-ITX 動画Upcon再生時CPU使用率】 42~49% 平均45%
動画Upcon再生時のCPU使用率が、60%から45%に下がった結果、動きの激しい動画の再生も充分滑らかになり、J5040-ITXを動画File Serverに使用した時の視聴も不都合なく、そのまま動画再生PCとして使えそう。
このM/BはFanless仕様であり、
W88xD54xH30mmのHeatsinkが附属する。Idle時の各部温度は左の通り。(室温24.8℃)

← 【J5040-ITX Idle時各部温度 Fanなし】
ところが、Prime95を実行するとCPU温度は5分程で 89℃ (室温24.8℃)に達した。
諸元表には 【J5040 CPU Tjunction温度 Max 105℃】 とあるが少々気になる。
そこで、HeatsinkにNoctua NF-A9x14 92x2mm PWM Fanを取り付けたところ、Prime95実行時CPU温度は23℃下がり
Max 66℃ となった。
Idle時CPU温度は左の通り9℃下がった。

← 【J5040-ITX Idle時各部温度 Fanあり】
ASRock J5040-ITX III (2020.11.23)

では、ASRock J5040-ITXの写真を紹介しよう。
ASRock J5040-ITXのCPU Heatsinkは前のASRock J5005-ITXと同じ形状。Ildeから軽負荷時の冷却能力は良好ながら、高負荷時はかなり高温になる。矢張りFanを加えたい。
HeatsinkにNoctua NF-A9x14 92x2mm PWM Fanを載せた。効果は前節の通り。Case Fanのない場合は是非欲しい。
その後、ASRock J5040-ITXはTroubleなく絵も音も良好。省電力AV-PCとして充分な性能であり、File倉庫だけの用途では勿体ない。毎度のことながら問題はCaseにあり。どうしよう・・・

ASRock J5040-ITX IV (2021.03.17)

ASRock J5040-ITXを入手してから4ヶ月経った。何時までも"Jewelry Tray"上では埃が積もる。そろそろ然るべきCaseに収めよう。予定では3.5" 8TB HDDを2台載せたMini-Serverを考えていたが適当なCaseが見当たらず、取り敢えずASRock J5005-ITX PCのM/Bを交換してお茶を濁すことにした。従って、部品構成は以下の通り。
 【M/B】 ASRock J5040-ITX
 【CPU】 Pentium Silver J5040 (Onboard)
 【CPU Cooler Heatsink】 M/B Build in
 【CPU Cooling Fan】 Noctua NF-A9x14 PWM Fan
 【MEM】 DDR4-2400 4GBx2 S.O.DIMM
 【SSD1】 KIOXIA SSD-CK480S/N 480GB
 【SSD2】 SK hynix SL300 HFS500G32TND 500GB
 【Sound】 Olasonic USB-DAC + Noise Filter
 【PSU】 picoPSU-120-WI + 19V 90W AC Adaptor
 【Graphics Driver】 Intel UHD Graphics Driver 27.20.100.9316
 【OS】 Win10 Pro 20H2 19042.867
 【Case】 RGEEK PC Case 02 (W197 x D197 x H80 mm 約 3.1liter)
RGEEK PC CaseはSilverstone SST-ML10Bと似た寸法。見栄えと仕上げは後者の方が好ましい。J5040-ITXにCPU Cooling Fanを載せると2.5"Storage2台が精々。
3.5" 8TB HDD 2台構成は、
後日の楽しみに取って置こう。
・ASRock J5040-ITX CPU HeatsinkのGreaseをMX-4に塗り直し、CPU温度は1-2℃
 下がった。
・CPU Cooling Fan Noctua NF-A9x14 Fanは凡そ1100rpmで運用。もう少し回転数
 を下げたいのだが、風通しに難のあるCaseなので1000rpm以下は難しそう。
・前に計測した時は Idle 7W、今回は8W。少々気に入らない。
・KIOXIAのSSDは今回初めて使った。値段は安いがSpecも凡庸。動作に問題なし。
・Graphics DriverはComet Lakeと同じ版が使えて絵は綺麗。
・低機能M/BなのでUSB-DACに繋いだ時の音質は良好。暫く、気分に応じて使い
 分けるMusic-PCなりそう。

ASRock J5040-ITX + Win11 (2021.07.04)

では、ASRock J5040 にWin11を導入しよう。部品構成は以下の通り。
 【M/B】 ASRock J5040-ITX (BIOS P1.60、PL1:10W、PL2:25W)
 【CPU】 Pentium Silver J5040 (Onboard、TDP:10W)
 【CPU Cooler Heatsink】 M/B Build in
 【CPU Cooling Fan】 Noctua NF-A9x14 PWM Fan
 【MEM】 DDR4-2400 4GBx2 S.O.DIMM
 【SSD1】 KIOXIA SSD-CK480S/N 480GB
 【SSD2】 SK hynix SL300 HFS500G32TND 500GB
 【Sound】 Olasonic USB-DAC + Noise Filter
 【PSU】 picoPSU-120-WI + 19V 90W AC Adaptor
 【Case】 RGEEK PC Case 02 (W197 x D197 x H80 mm 約 3.1liter)

経過は、
 ・BIOS画面を開きSecure Bootが有効であることを確認した。
 ・Intel Platform Trust Technologyを有効にした。
 ・Win10を起動し、Insider Program Dev Channelに参加した。OK。
 ・Utility Soft "whynotwin11" を起動し、
  Win11最小System要件が満たされていることを確認した。All OK。
 ・Win11 Pro 21H2 Build 22000.51へのUpdateは1時間以上かかったが、
  途中躓くことなく無事に完了した。

結果は以下の通り。()内はWin10の時の値。%は Win11/Win10-1の値。
 【Cinebench R20 CPU multi】 441pts / 23W (731pts / Max 23W) -40%
 【Cinebench R20 CPU single】 187pts ( 202pts / Max 13W) -7%
 【Cinebench R15 CPU all】 298cb / 22W (324cd / Max 23W) -8%
 【Cinebench R15 CPU single】 73cb / 13W (91cb / Max 13W) -20%
 【Prime95実行時消費電力】 27W (Max 26W)
 【Super PI 104万桁】 21sec. (20sec.) -5%
 【Idle時消費電力】 7W (7W)
 【WMP音楽再生時消費電力】 8W (8W)
 【PowerDVD18Ultra TTHD_OFF】 10W (10W)
 【PowerDVD18Ultra TTHD_ON】 15W (15W)

 ・Cinebenchの結果が思わしくない。得られた値は一世代前の J5005 に近い。
 ・これまで、Win11はWin10に較べて幾分緩慢に感じていたが、これ程大きな
  差が表れたのは初めてのこと。但し、消費電力は殆ど変わりない。
 ・ここまで性能が落ち込むと実用性そのものが怪しくなる。
 ・自分に何か不手際があった可能性もあるので暫く様子を見よう。

富者と貧者 (2021.08.15)

前節で ASRock J5040-ITX にWin11を導入した際、Bench結果が思わしくなく、何か不手際があったのではないかと疑った件、40日振りに再試行した。
 ・先ず、Win11をBuild 2200.132へUpdateした。OK
 ・Intel UHD Graphics Driverを最新版 30.0.100.9805 へUpdateした。OK
 ・不要なApplicationを全て削除した。
 ・Disk Cleanup後、自動Maintenanceを手動で実行した。
 ・CPU使用率が0%になるまで暫く待った。

結果は以下の通り。(括弧内は前回計測時の値)
 【Cinebench R20 CPU multi】 688pts / Max 23W (441pts / Max 23W)
 【Cinebench R20 CPU single】 192pts / Max 13W (187pts / Max 13W)
 【Cinebench R15 CPU all】 308cb / Max 23W (298cb / Max 22W)
 【Cinebench R15 CPU single】 82cb / Max 13W (73cb / Max 13W)
 【Super PI 104万桁】 21sec. (21sec.)
 【Idle時消費電力】 7W (7W)

Cinebenchの結果は、前回計測時に較べて幾分向上した。けれども、その理由はWin11 Updateの所為ではなく、前回は内部処理が完全に終わらぬ内に計測したためと考えられる。それでもWin10に較べて遅いことに変わりはない。Win11のPerformanceは、体感上Win10の10~15%減くらいに感じられる。Programの実行やFile Openの時、
   ただ今、CPUに対する要求が多く、順番待ちの状態にあります。
   そのままお待ち頂くか、暫くしてから再度実行して下さい。
   真に申し訳ありません・・・
とSupport Centerの如くに待たされる。では、何故Win11は遅いのか、心当りは幾つかあるが想像の域を出ず、もう暫く検証を続けることにしよう。

さて、その昔「焼餅は貧者に、焼き魚は富者に任せる」と親からよく言われた。焼餅は頻繁に裏返した方が綺麗に仕上がるが、焼き魚は片面ずつじっくり炙った方が良いとのことで、焼餅はお前向きだといつも指名された経験がある。つまり、Atom Familyは焼き魚と同じく富者向きであり、貧者には似合わないのかも・・・

Max 23W (2022.01.05)

年明け第一段は省電力PCである。

前節で 「遅いPCは富者向き」 などと、ASRock J5040-ITX に対する嫌みを述べた。
ところが、その後のUpdateで使用感は幾分向上し、せっかちな貧者にもどうにか堪えられるようになった。

結果は以下の通り。(括弧内は2021/8/21計測時の値)
 【CineR20 CPU multi】 727pts / Max 23W (688pts / Max 23W)
 【CineR20 CPU single】 195pts / Max 13W (192pts / Max 13W)
 【CineR15 CPU all】 321cb / Max 23W (308cb / Max 23W)
 【CineR15 CPU single】 84cb / Max 13W (82cb / Max 13W)
 【Super PI 104万桁】 20sec. (21sec.)
 【Idle時】 7W (7W)
 【WMP音楽再生時】 8W (8W)
 【PowerDVD18Ultra Upcon再生時】 15W (15W)

消費電力は変化なし。Cinebench値の増分は僅かではあるが、体感上の差は決して小さくない。 ほぼWin10並みのPerformanceに戻ったかも知れない。 BIOSは前回と同じなので、Win11及び各種DriverのUpdateによる賜物と思われる。これなら、Web/Office/音楽/動画/録画、そしてMini-Server用途にどうにか使える。最大消費電力23Wは常時稼働PCとして申し分ない。

と言うことで、本年は偉く地味なStartとなった。

電池駆動Desktop-PC (2022.06.08)

暫く振りにAtom-Familyの登場である。J5040は我が家で最もSpecの低いWin11-PCとして、どうにか生き延びている。上の方で述べた通り、最新の高速CPUと雖も2-3日もすれば慣れて当たり前になり、その有り難みは薄れてしまう。そうした時、低速PCの緩慢さに堪えることができれば、Speed感覚がResetされ、i5 12600KやR5 2600Xが生き返るのである。抑もPCの快適性は相対的なものであり、比較対象がなければ推し量ることすらできない。従って、J5040はPC自作erにとって貴重な存在である。

小理屈は程々に、以下の部品構成で試した。
 【M/B】 ASRock J5040-ITX (PL1 10W / PL2 25W)
 【CPU】 Pentium Silver J5040 (Onboard)
 【CPU Cooler Heatsink】 M/B Build in
 【CPU Cooling Fan】 Noctua NF-A9x14 PWM Fan
 【MEM】 DDR4-2400 4GBx2 S.O.DIMM
 【SSD1】 KIOXIA SSD-CK480S/N 480GB
 【SSD2】 SK hynix SL300 HFS500G32TND 500GB
 【Sound】 Olasonic USB-DAC + Noise Filter
 【PSU】 picoPSU-120-WI + 19V 90W AC Adaptor
 【OS】 Win11 Pro 21H2 22000.708
結果は、
 【Cinebench R20 CPU multi】 729 pts / Max 23W
 【Cinebench R20 CPU single】 201 pts / Max 13W
 【Cinebench R15 CPU all】 323 cd / Max 23W
 【Cinebench R15 CPU single】 90 cb / Max 13W
 【Prime95実行時】 Max 26W
 【Prime95実行時CPU温度】 Max 77℃ (室温25.2℃)
 【Prime95実行時CPU Fan回転数】 Max 1800rpm
 【Super PI 104万桁】 20sec.
 【Idle時】 7W
 【WMP音楽再生時】 8W
 【PowerDVD18Ultra Upcon再生時】 14W

 ・注目すべきはCinebench値である。
  Win10からWin11にUpgradeした時、Cinebench値が著しく低下したが、
  今回の結果は、ほぼWin10時代の値に戻ったと言えよう。
 ・Cinebench multi実行時 Max23W、Prime95実行時消費電力 Max 26W。
  もし、計画停電が実施されることがあれば、電池駆動Desktop-PCとして
  表舞台に登場する可能性大。
 ・但し、Prime95実行時CPU温度はCooling Fanを取り付けても77℃に達した。
  Idle時のCPU温度も高めなので、Fanless運用ではなくCPU Fanを追加したい。

ASRock N100DC-ITX (2023.08.07)

M/Bの新規購入は、2023/05/17に求めたASUS Pro H610M-C D4-CSM以来、80日振りである。選んだ製品はN100を載せたASRock N100DC-ITX。新Seriesではあるが Atom Familyの一員か。先ず、以下の構成で試した。 (室温28.2℃)
 【M/B】 ASRock N100DC-ITX
 【CPU】 Intel N100 (4C4T、3.40GHz、TDP 6W)
 【CPU Cooling Fan】 Noctua NF-A9x14 HS-PWM chromax.black
 【MEM】 DDR4-3200 8GB x1
 【M.2】 Samsung 960 EVO 250GB NVMe Gen3
 【DC-DC】 On board
 【AC-DC】 19V 90W AC Adaptor
 【OS】 Win11 22H2 Build 22621.2070
 【BIOS Setting】 CPU Vcore offset -75mV、ASPM有効、C-state有効
結果は、
 【CineR23 CPU multi】 2899pts / Max 23W / Max 49℃ / Max 1261rpm
 【CineR23 CPU single】 925pts / Max 19W
 【CineR15 CPU all】 461cb / Max 23W / Max 47℃ / Max 1260rpm
 【CineR15 CPU single】 156cb / Max 19W
 【Prime95】 Max 23W / Max 49℃ / Max1256 rpm
 【Super PI 104万桁】 19sec.
 【Idle時】 6W / 30℃ / 1180rpm
 【WMP音楽再生時】 9W
 【PowerDVD22Ultra Upcon再生時】 15W

・Idle時消費電力 6Wはまあまあ。
・TDP 6WのCPUとしては Cinebenchの値は優秀、Super PI の成績は低調。
・CPUのFanless動作は嫌いなのでNoctua NF-A9x14を載せた。
 このFanの有無で、Idle時 5-6℃、高負荷時 9-10℃の差が生じた。
・この後、Memoryを 16GB、M.2を 2TBに増量する予定。

ASRock N100DC-ITX II (2023.08.08)

M.2を 2TB、Memoryを 16GBに増量する件、
先ず、Samsung 960 EVO 250GB Gen3のClone Diskを拵えた。
 ・Clone Diskの作成は、PCIe x4 Card SilverStone ECM22を用い、
  WD Blue SN570 NVMe 2TB Gen3 へCopyした。
  但し、SilverStone ECM22はASRock N100DC-ITXに挿さらないので、
  別のM/B上で実行した。
 ・出来上がったClone DiskをASRock N100DC-ITXを載せたところ、
  特に問題はなく、消費電力も変化なし。
次に、Memoryを8GBから16GBに増量した。
 ・動作に問題はなくともCPU使用率が増加した。
  Full-HD動画のUpcon再生時 → CPU使用率 100%
  他の作業中も高い。
 ・そこで、Memoryを8GBに戻した。
  Full-HD動画のUpcon再生時 → CPU使用率 80-90%
  他の動作中も下がった。
 ・どうにも腑に落ちない結果となった。
次に、CPU Vcore offset -75mV をoffsetなしに変更した。
 ・高負荷時の消費電力は1-2W増加したのに
  Cinebenchの結果は 2-3%低下した。
 ・この件も合点が行かず、Vcore offset -75mVに戻した。

ASRock N100DC-ITXを纏め上げるには、更なる検証を進めなくてはならない。
今のところ "がっかり感" が漂っている・・・

N100 vs N5105 vs J5040 (2023.08.11)

がっかり感漂う ASRock N100DC-ITX のBIOSを V 1.05から1.06へUpdateした。結果は大して代わり映えせず。相変わらず動画再生時のCPU使用率が高い。これでは音楽再生PCとしての運用が精々。録画するだけなら兎も角、高品位1920x1080動画の再生に不満が残るPerformanceでは、PT3録画PCですら物足りない。だからと言って、購入から一週間も経たずにお蔵入りするのは忍びない。もう少し遊ぶことにしよう。

そこで、ASRock N100DC-ITXとPerformanceの近い、NUC 11ATBC4 N5105 / ASRock J5040-ITXと比較することにした。
N100 vs N5105 vs J5040
Date
2023/08/11 (室温 28.1℃)
M/B
ASRock
N100DC-ITX
Intel
NUC11ATKC4
ASRock
J5040-ITX
CPU
Intel N100
(4C4T、3.40GHz
TDP 6W)
Intel N5105
(4C4T 2.9GHz
TDP 10W))
Intel J5040
(4C4T、3.20GHz
TDP 10W)
CPU
Cooler
Heatsink
M/B Build in
Cooling Fan
Noctua
NF-A9x14
M/B Build in
Noctua
NF-A9x14
Memory
DDR4-3200 8GB
DDR4-2400
4GBx2 S.O.DIMM
DDR4-2400
4GBx2 S.O.DIMM
SSD
WD Blue SN570
NVMe 2TB Gen3
WD Blue SN570
NVMe 2TB Gen3
KIOXIA CK480S
+ SK hynix 500GB
Sound
Olasonic USB-DAC + Noise Filter
PSU
DC-DC
M/B Build in
M/B Build in
picoPSU-120-WI
AC-DC
19V 65W AC Adaptor
OS
Win11 22H2 Build 22621.2134
BIOS Setting
Vcore offset -75mV
ASPM有効
C-state有効
ASPM有効
C-state有効
ASPM有効
C-state有効
PC
PC01
PC02
PC03
CineR15
all
486cb
Max 23W
Max 49℃
371cb
Max 20W
Max 66℃
316cb
Max 22W
Max 72℃
single
156cb
Max 19W
107cb
Max 12W
87cb
Max 17W
Prime95実行時
Max 23W
Max 50℃
Max 1130rpm
Max 23W
Max 73℃
Max 2931rpm
Max 27W
Max 80℃
Max 1831rpm
Super PI 104万桁
19sec.
19sec.
21sec.
Idle時
6W
4W
8W
WMP音楽再生時
9W
6W
10W
PowerDVD22Ultra
Upcon再生時
14W
12W
15W
*消費電力測定 Watt Checker TAP-TST5、温度計測 HWiNFO64。
【PC01】 ASRock N100DC-ITX
【PC02】 NUC 11ATBC4 N5105
【PC03】 ASRock J5040-ITX
・Cinebench値は PC01が断然優れている。
・高負荷時の消費電力は3者とも近い値。
 但し、高負荷時のCPU温度は PC01 < PC02 < PC03 の順に高い。
 高負荷時のCPU Fan回転数は PC01 < PC03 < PC02 の順に高い。
 Idle時/音楽再生時/動画再生時の消費電力は PC02 < PC01 < PC03 の順に高い。

そうなると総合的には PC01 が最良となるのだが、実はそう簡単には言えない。
同じ1920x1080動画であっても、CPU使用率はかなり変化する。
 Full-HD_01 → WOWOWから収録したAnime映画
 Full-HD_02 → WOWOWから収録したConcert映画
 Full-HD_03 → BDの主Fileを直接再生したBallet映画

動画再生時の
CPU使用率
PC01
PC02
PC03
Full-HD_01
平均 80%
平均 42%
平均 60%
Full-HD_02
平均 90%
平均 50%
平均 70%
Full-HD_03
100%
平均 65%
平均 80%

・上の表から動画再生時のCPU使用率は PC02 の成績が最も優れて見えるが、
 これはPC02のGraphics Driver中にCustom鮮明度の項目がない所為であり、
 必ずしも最良とは言えない。
・一方、PC01の成績は3者中最低である。
・PC01の取柄を上げるなら、Idle時から高負荷時にかけて全領域でCPU温度が
 低めであること位か。
・よって、現行のM/B及びCPUで省電力PCを目差すなら、
 H610搭載のMini-ITX M/B + 下位T付CPUの組合せが無難に思われる。

ASRock N100DC-ITX Fanless動作 (2023.08.18)

ASRock N100DC-ITXの使い途が決まらない。
 ・他のM/Bに較べて音質にやや難があることから音楽再生専用PCは不向き。
 ・動画再生時のCPU使用率が高く、動画再生PCとしても不満が残る。
 ・Mini File-Serverとしてなら生きる道はあるが、SATA Port x2では物足りない。

用途の件は先送りにし、CPU Cooling Fanの有無について計測しよう。
ASRock N100DC-ITXはCPU Fanless動作仕様ではあるが、以下の通りCPU温度はかなり上昇する。
ASRock N100DC-ITXのFanless動作
Date
2023/08/18 (室温 29.1℃)
M/B
ASRock N100DC-ITX
CPU
Intel N100 (4C4T、3.40GHz TDP 6W)
CPU
Cooler
Heatsink
M/B Build in
Cooling Fan
Noctua NF-A9x14
Fanless
Memory
DDR4-3200 8GB
SSD
WD Blue SN570 NVMe 2TB Gen3
Sound
Olasonic USB-DAC + Noise Filter
PSU
DC-DC
M/B Build in
AC-DC
19V 65W AC Adaptor
OS
Win11 22H2 Build 22621.2134
BIOS Setting
Vcore offset -75mV、 ASPM有効、C-state有効
PC
PCa
PCb
CPU温度差
PCb-PCa
CineR15
all
476cb
Max 24W
Max 48℃
466cb
Max 25W
Max 70℃
22℃
single
156cb
Max 18W
156cb
Max 19W
-
Prime95実行時
Max 24W
Max 48℃
Max 26W
Max 76℃
28℃
Super PI 104万桁
19sec.
19sec.
-
Idle時
6W
33℃
6W
43℃
10℃
WMP音楽再生時
9W
9W
-
PowerDVD22Ultra
Upcon再生時
14W
15W
-
*消費電力測定 Watt Checker TAP-TST5、温度計測 HWiNFO64。
もし、ASRock N100DC-ITXを小型のFanless Caseに収めたら、CPU温度は更に上昇するので、このM/BはCPU Cooling FanかCase Fan必須と考えたい。適当な静音Fanを用いれば、Noiseを気にすることなく運用可能である。もし、完全Fanlessにするなら、Caseの回りに充分な空間を空けなくてはならず、小型PCの利点を失うことになる。

PCの自作を始めて以来、完全Fanless動作は何度も試みたが、実機として運用した例は一度もない。

ASRock N100DC-ITX III (2023.09.23)

前節で、「ASRock N100DC-ITXの使い途が決まらない。
 ・他のM/Bに較べて音質にやや難があることから音楽再生専用PCは不向き。
 ・動画再生時のCPU使用率が高く、動画再生PCとしても不満が残る。
 ・Mini File-Serverとしてなら生きる道はあるが、SATA Port x2では物足りない。」
と述べてから35日経った。

兎に角、CPU使用率が100%になる場面が多過ぎる。
 ・Windows UpdateのDL時、Install時は殆ど100%に張り付く。
  その間、他の作業は無理。只管Updateの完了を待つ許り。
 ・どうにかWindows Updateを終えて、Disk Cleanupを実行すると100%。
 ・自動Maintenanceを手動で実行するとこれまた100%。
 ・動きの激しい高品位Full-HD動画の再生時も100%。
 ・CCleanerのUpdateや実行時も100%。

一つのProgramを実行するだけで直ぐにCPU使用率100%では使い途が制限される。従って、例え消費電力が
 【Idle時】 6W
 【WMP音楽再生時】 9W
 【PowerDVD18Ultra Upcon再生時】 14W
であっても、印象は思わしくない。
 ・上に述べた通り、音質にやや難があることから音楽再生PCは不向き。
 ・動画再生PCとしても不満が残る。
 ・単機能Server、例えばBonCasLink Serverなら負荷は少なくとも、
  Windows Updateに時間が掛かり過ぎて、これまた不適。
 ・PT3用途なら、Windows Updateや自動Maintenanceを制限する必要がある。
 ・そうなると、使い途はMusic File Serverくらいしか思い浮かばない。
 ・Windows Storage Server 2012辺りの軽量OSに乗り換えるか、
  いっその事、窓の外に放り投げるか・・・

Intel D2700DC (2023.11.08)

我が家の最低速PCである Intel D2700DC-PC を8ヶ月振りに引っ張り出した。
 【M/B】 Intel D2700DC
 【CPU】 Onboard
 【MEM】 DDR3-1066 S.O.DIMM 2GBx2
 【SSD】 SanDisk SDSSDHII480G
 【HDD】 Seagate 2.5" 2TB ST2000LM007
 【PSU】 picoPSU120-WI
 【OS】 Windows Storage Server 2016 Workgroup
 【Case】 自作Case (W210xD220xH56mm = 約2.6 liter)
 【Idle時】 12W、【WMP音楽再生時】 13W

 ・OSの Windows Storage Server 2016 はWin10 Version 1607相当。
 ・Intel D2700DC対応のGraphics Driverはなく、Microsoft基本Display Adaptor
  で動作する。その為、画面は 1600x1200 が上限となる。
 ・どの程度遅いかと言えば Super PI 104万桁:71sec. で絶望的。
  Windows Update 更新Programの確認/Download/Update、及びその後の
  自動Maintenance等、CPU使用率が 0% になるまでには、ほぼ丸一日かかる。
 ・このPCは音楽再生専用PCである。Update後の音質はどうか。
  最近のWin11は一頃に較べて音質が向上し、駄目出しされる例は希になったが、
  D2700DC-PCは、そのどれよりも音が良い。特に中音域の音の拡がりに優れ、
  演奏会場の残響や間接音が確り再現されるので、温かみのある再生音となる。
 ・Windows Updateの難渋さに堪えることができれば、まだまだ現役を張れるぞ。

ASRock N100DC-ITX IV (2023.11.11)

前々節で述べた通り、我が家に於けるASRock N100DC-ITXの評価は思わしくない。
「窓の外に放り投げるか」などと悪態をつく始末である。ところが、Web上には、そうした悪評は見られず概ね好意的である。もしかすると自分がとんでもない過ちを犯している可能性もあるので、兎に角一度Caseに収めて様子を見ることにしよう。

選んだCaseは Mini-Box M350 (W192 x D210 x H62 mm 約2.5liter)
我が家では定番の小型Caseである。Black x3 / Silver x2合わせて5台ある。
M/Bの取付に問題はないが、Case附属のLEDが気に入らず、別途LEDを用意した。
 【M/B】 ASRock N100DC-ITX
 【CPU】 Intel N100 (4C4T、3.40GHz、TDP 6W)
 【CPU Cooling Fan】 Noctua NF-A9x14 HS-PWM chromax.black
 【MEM】 DDR4-3200 8GB x1
 【M.2】 WD Blue SN570 2TB Gen3
 【DC-DC】 On board
 【AC-DC】 19V 90W AC Adaptor
 【OS】 Win11 23H2 Build 22631.2506
 【BIOS Setting】 CPU Vcore offset -75mV、ASPM有効、C-state有効
 【Idle時】 7W
 【WMP音楽再生時】 9W
 【PowerDVD22Ultra Upcon再生時】 14W

 ・Win11 22H2から23H2にUpdateし、Music FileをRemote DiskからLocal Diskに
  移したら、音質は幾分改善された。
 ・相変わらずCPU使用率100%の場面は多いが、前節のD2700DCで遊んだ所為か、
  それ程苦にならなくなった。矢張り超低速PCの御利益は絶大。
ASRock N100DC-ITXのCPU
温度はFanの有無により最大28℃の差が生じるので
是非ともFanを追加したい。
取付は適当なAngleを用いる。
二点留めで問題なし。
Mini-Box M350 (約2.5liter)
面白味のないDesignだが、
この際我慢しよう。
ASRock N100DC-ITX V (2024.04.01)

久し振りに ASRock N100DC-ITX PC を起動した。
 【M/B】 ASRock N100DC-ITX
 【CPU】 Intel N100 (4C4T、3.40GHz、TDP 6W)
 【CPU Cooling Fan】 Noctua NF-A9x14 HS-PWM chromax.black
 【MEM】 DDR4-3200 8GB x1
 【M.2】 WD Blue SN570 2TB Gen3
 【DC-DC】 On board
 【AC-DC】 19V 90W AC Adaptor
 【Case】 Mini-Box M350 (W192 x D210 x H62 mm 約2.5liter)
 【OS】 Win11 23H2 Build 22631.3374
 【BIOS Setting】 CPU Vcore offset -75mV、ASPM有効、C-state有効

 【CineR15 CPU multi】 733 cb / Max 24W / 49℃ (室温22.3℃)
 【CineR15 CPU single】 157 cb / Max 22W
 【Prime95実行時】 Max 24W / Max 52℃
 【Super PI 104万桁】 19sec.
 【Idle時】 7W
 【WMP音楽再生時】 9W
 【PowerDVD22Ultra Upcon再生時】 14W

 ・Win11 Pro 23H2 Build 22631.3374 へのUpdateは問題なし。
  Atom Familyとして、CineR15 CPU single 157 cb は良好だが、
  今時 Super PI 104万桁 19sec. は如何ともしがたい。
 ・Windows Update/自動Maintenanceの他、CCleaner/HWiNFO64/Aida64等の
  Utility Soft運用時もまたCPU使用率100%に張り付き苛々させられる。

気の短い者にとって N100-PCの低調さは我慢の限界を超える。せめて、音質が優れているとか、消費電力が著しく低いとか特徴があれば生きる道は開けるのだが、
 ・N100-PC より音の良いPCは幾らでもある。
 ・Idleから軽負荷時にかけての消費電力を気にするなら、Comet-PCの方が優る。

ならば、何か良い手はないか思案の末、LAN Cableを外しWeb切断PCとした。
 ・消費電力は 1W下がり 6W。
 ・裏作業が減りCPU使用率の変動は和らいだ。
 ・各種Utility Soft運用時のもたつきも幾分解消した。
 ・心成しか音楽再生時の音質が向上した。

何と良いこと尽くめではないか。そう言えば、昔から音楽再生PCはLAN Cableを外す方が良いとされてきた。暫く N100-PCをWeb切断PCとして運用してみよう。

 PCG3